2017年03月17日

米通商代表は「日本が第一の標的」とは言ってない

日本のメディアは通商代表部のライトハウザー代表がで3月14日アメリカ上院の公聴会で「農業分野の市場拡大は、日本が第一の標的になる」と言ったと一斉に報じています。

「日本が第一の標的」とは穏やかではありません。トランプ大統領に好意的な私もやはりアメリカのやることは変わらないなと思いました。安倍首相が訪米したときに見せたのは表の顔で裏の顔は別。日本に対しては無理難題を突き付けてくる、今までのアメリカとやはり変わることはないかと思いました。

それは日本の農業にはいろいろ問題はあるでしょう。しかし自国農業を保護する政策はどこの国でも取っています。人はカネがなくてもすぐ死にはしませんが水と食べ物がなければ1か月と生きられません。ですから自国農業保護は国の安全保障の立場から世界中全ての国に認められている権利です。同時に本来国民を守る政府の当たり前の義務です。自衛のための武力行使が憲法より上位にある自然法で全ての国に認められているのと同じことです。

ところがこの人の命に関わる問題を経済合理性で議論する愚か者がいます。カネの問題ではないです。いくらカネがあってもきれいな水が飲めずに安全な食品を食べられなければ何の意味もありません。自民党の農業問題担当の某議員は日本の農産物に付加価値を付けて輸出競争力をつけるのが農業改革だなどと申しています。まだお若いのにもうボケているようです。

そうはいっても物事には程度ということがあります。他国に比べて日本が飛びぬけて大きな農業保護をしているのなら他国から文句を言われても仕方ないかも知れません。しかし事実は他国の保護の方が大きいのです。農家収入に占める政府補助の割合は日本では15%前後といわれています。これがフランスや英国では90%だそうです。ですから農家は実質公務員だとさえ言われています。米国でも日本の倍以上の補助が行わているそうです。ならばアメリカから日本のやり方が不公正などと言われる筋合いはこれっぽちもないのです。貿易取引の議論としても補助金でコストを下げた価格で日本にダンピング輸出するのは不公正だ、と反論すれば終わりの話です。

さてブログ主は日本のメディアを信じないのでライトハウザー代表の発言の原文を調べてみました。
http://www.japantimes.co.jp/news/2017/03/15/business/ustr-pick-lighthizer-signals-push-open-japan-farm-market/#.WMtRI-m1vVI

Robert Lighthizer, nominee for U.S. trade representative, indicated that the United States will push Japan to further open its agriculture sector in planned bilateral negotiations.
“I would list, of course, Japan as being a primary target for a place where increased access for agriculture is important,” Lighthizer said Tuesday during his Senate confirmation hearing.
後段が「日本が第一の標的」と報じられた部分です。私の大学受験レベルの和訳では以下のようになります。
「農産物の市場拡大が重要な地域として、私はもちろん日本を高い価値のある目標(標的)にあげます。」
産経新聞は他と違いprimaryを「最優先な」と訳しています。日本が第一の標的との発言では穏やかではありませんが上の訳なら目くじらをたてる程でもありません。日本への市場拡大は重要だと言っているにすぎないからです。もし日本が第一の標的と言いたいならtop targetとかno.1 targetとかの言葉を使うでしょう。

日本のメディアの意図はみえみえです。私もつい騙されそうになりました。狙いはトランプ政権に対する日本の国民感情にマイナスイメージを植え付けることでしょう。あるいはメディアの期待する?通りになるかも知れません。トランプ政権が日本に理不尽な市場開放を迫る可能性はあるでしょう。楽観はできません。かってロンヤスの蜜月を演じながら裏では強硬な通商交渉を迫ったレーガン政権の時代もありましたから。

しかしトランプ政権は違うのではないかと期待しています。根拠はトランプさんの哲学です。トランプ大統領はその就任演説でアメリカファーストを唱えました。しかし他国に同じ権利があることを同時に言っています。そのことはあまり注目されていません。トランプ嫌いのメディアが意図的に隠しているのかも知れません。なぜならアメリカファーストの言い放しなら独善的な人物に印象づけられます、しかし他国にも同じことをすることを望むという下りと一体の発言だととても公平な考え方になるからです。おそらくこれはトランプさんの哲学なので今後も変わらないと思います。

ですから仮にトランプさんの部下であるライトハウザー代表が筋の通らない市場開放を求めてきたとしてもおそれるには足りません。そのとき日本は自国の市場が公正だなどと主張する必要はありません。農業保護が行われていて他国からみれば不公正であることを堂々と認めるべきです。それで工業製品の交易条件が不利になってもやむ負えないのです。カネより命なのですから。農業保護は万国に認められた権利なのでそれをアメリカは否定できません。否定すればトランプさんの哲学に反することになります。
posted by woodhome at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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