2019年01月31日

本当に国は「借金」があるのか

と題された記事が一昨日1/29の産経朝刊に載っていました。
論者は青山学院大学教授福井義高氏です。
題名から想像できるようにこの記事は世に言われるような国の借金は存在しないことを説明しています。
要約すると
➀ 国の帳簿に載っていいる債務(借金)である国債や日銀券は企業の株式と同じである。
② 政府の国債発行は企業の株式発行と同じなので資金をすべて株式で調達している企業と同様に政府は形式的には破産することはない。
③ 国債が株であるのなら株式に株価があるように国債に価格がある筈であり、それは物価水準(の逆数)である。つまり国債価格はインフレ率に反比例する、そのインフレ率は将来のプライマリーバランス(基礎的財政収支)に対する予想によって変化する、つまり国債価格も将来の基礎的財政収支に対する予想により変動する。政府の基礎的財政収支が悪化すると予想されると物価水準は上昇し、国債価格は下落する。

国債は企業でいえば負債ではなく株式に相当する、という理論を私ははじめて知りました。ジョン・コクラン氏という著名な財政学者が唱えているそうです。
福井教授はコクラン氏の理論の上に立って、世にいう国の債務は返済義務のある借金とは違うと述べています。

福井教授は最初に日本政府のように資金不足を自国通貨建て国債で調達している場合、その債務は家計や民間企業の借金とは根本的に性格が異なる、と正しく指摘しています。
ところが上の③になると、国債価格を維持するためには基礎的財政収支をバランスさせなければならない、と財政健全化を唱える財務省や世の学者と全く同じ結論に達しています。

現政府は財政健全化を目標にしています。消費税の引上げもその一環です。
現政府を含めて財政健全派は、何をもって財政健全なのかその定義をはっきり示していません。福井教授も同じです。
ただはっきりしているのは彼らとて1000兆円超といわれる現在の累積債務を無くすことは毛頭考えていないことです。
それは実現不可能です。ですが累積債務のゼロ化を目標にした場合は論理的に一貫性があります。
では彼らは何をもって健全化というとそれはプライマリーバランス以下PB)の実現です。最近のニュースでは政府は2026年にPBを実現する計画であると伝えられています。つまり7年後です。
おかしいです。
PBが実現しても彼らがいう厖大な国の借金は少しも減りません。それでなぜ財政が健全化したことになるのですか? 

この矛盾を解くには「1000兆円超の借金」は返済義務のある借金ではない、と認める以外に抜け道がありません。
1000兆円超の債務が借金でないのなら債務をゼロにする必要がないとう論理が成り立ちます。
彼らが唱えるように1000兆円超が返済義務のある借金であるなら、その借金をゼロにしないかぎりいくら単年度で財政赤字を無くしても財政の健全化は未来永劫実現しません。それでは困るので財政健全派はPBの実現をもって財政健全化と言っています。
つまり1000兆円の累積債務を問題にしません。しかし累積債務は過去の財政収支赤字の結果です。
彼らは自分達が何を言っているのかわかっているのでしょうか?
彼らは過去の財政赤字は問題ない、しかし将来は許されないと言っています。
おかしいです。
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posted by woodhome at 17:17| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする